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「受験勉強から得られる最大の価値」

 今年度も、無事に高校受験・大学受験が終わりました。

都立入試当日の朝、たくさんの生徒たちが教室に集まってくれました。そこで、差し入れのサンドイッチやグレープフルーツジュース (計算するスピードがアップするらしい!) をみんなで和気あいあいと食べながら、計算練習、英語のリスニング、英作文を最後に解きました。先生たちが描いた応援メッセージとお菓子を生徒たちに渡しながら、いざ出発!というところで、泣き出してしまう生徒も何人かいました。しかし、周りにいる生徒や先生に励まされながら入試会場に向かう彼らの後ろ姿を見て、私は合格できそうな雰囲気をひしひしと感じることができました。また同時に、生徒たちが精神的にとても強く成長したことを感じることもできました。

 

 受験勉強を通して、自分の力で人生を切り開いていくことのおもしろさと難しさを生徒たちは初めて体験したのではないでしょうか。生徒たちと一緒になって、試行錯誤と切磋琢磨をくり返し、彼らの志望校に向かって全力で挑戦する、そのプロセスに生徒自身も価値を見出すことができれば、と日々考えています。言い換えるならば、そのプロセスとは、自分自身の能力を0から1へ、1から2へとレベルアップさせることであり、また同時に、身の丈を知ることでもあると思います。受験に成功した、失敗したという結果ばかりが注目されがちです。それよりも、このような経験を通して得られる人間的な成長の過程こそが受験勉強の最大の価値であるように思います。もっと勉強しておけば良かった、というような後悔ですら、その後の人生の大きな糧になると思います。大学受験、資格試験、就職活動など自分の力が試される機会はまだまだ残っています。苦い経験こそが次の目標への強力な原動力になることもあります。だからこそ、結果だけに注目するのではなく、多くのことを感じ、学び、成長していく過程にスポットライトをより強く当てていきたいと考えています。人生を山あり谷ありの時間の連続体だと考えるならば、結果へのプロセスを重視することにも必ず意義があると信じています。

2017/3/25

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